令和8年度佐世保市立看護専門学校―地域実習報告会看護学生が地域で学ぶということ―
令和8年9月8日(火)、9月16日(水)の2日間、佐世保市立看護専門学校で開催された地域実習の報告会に参加しました。
地域に出て、実際に高齢者と関わる

今回の地域実習では、学生が3人1組となり、佐世保市内の地域サロンに参加しました。
この実習は、地域の活動をただ見学するだけではありません。
学生自身が「地域の皆さんに楽しんでもらうにはどうしたらよいか」を考え、レクリエーションを企画し、実際に地域住民の皆さんの前で実施します。
そして、地域で暮らす高齢者の皆さんと直接話し、交流する。
病院や学校の中ではなかなか出会うことのできない、「地域で暮らしている元気な高齢者」と触れ合う機会です。
「高齢者のイメージが変わった」という気づき

報告の中で印象的だったのは、
「高齢者の皆さんが想像していた以上に元気だった」
「自分が持っていた高齢者のイメージが変わった」
という学生の声でした。
医療や介護を学んでいると、どうしても病気や障がい、支援が必要になった状態の高齢者と接する機会が多くなります。
しかし、地域には、友人と話をしたり、体操をしたり、自分たちで活動をつくりながら、元気に暮らしている高齢者がたくさんいます。
一方で、学生たちは地域の課題にも気づいていました。
「サロンに参加したくても、そこまで来るための交通手段がない人もいるのではないか」
「高齢になって車の運転ができなくなったとき、生活をどう支えていくのだろう」
こうした移動手段の問題など、地域で生活を続けていくうえでの課題を、自分たちの目で見て、肌で感じています。
これは、教科書や座学だけではなかなか得ることのできない、とても大切な経験だと思います。
4年間関わって感じる、実習内容の深まり

私がこの地域実習に関わるようになって、今年で4年目になります。
毎年感じるのですが、年を重ねるごとに実習の内容が少しずつ深くなっています。
単に「地域サロンへ行ってきました」という実習ではなく、
地域の人と話し、
自分たちで活動を考え、
地域の良さを知り、
そして地域が抱えている課題にも気づく。
そんな実習になってきました。
私は、ここに大きな意味があると思っています。
地域を知る看護師が、地域包括ケアをつくっていく

今、地域包括ケアシステムでは、医療・介護・福祉・地域住民など、さまざまな人や機関が連携して地域での暮らしを支えていくことが求められています。
しかし現実には、医療は医療、介護は介護、福祉は福祉と、まだまだ「縦割り」を感じる場面があります。
だからこそ、学生のうちから病院の中だけではなく、「地域で暮らす人の生活」を知っていることには、とても大きな意味があります。
今回地域に出た学生たちが、数年後には看護師として医療の現場に立ちます。
そのとき、
「退院した後、この人は地域でどんな生活をするのだろう」
「地域にはどんな人や活動があるのだろう」
「医療だけではなく、地域とどうつながればいいのだろう」
そんな視点を少しでも持ってくれていたら。
それだけでも、医療と地域との距離は少しずつ近づいていくのではないでしょうか。
地域包括ケアシステムは、制度や会議だけでつくられるものではありません。
地域を実際に知った人が、それぞれの現場に増えていくこと。
それもまた、地域包括ケアシステムをつくっていく大切な一歩だと感じています。
生活支援コーディネーターとしても、これからも佐世保市立看護専門学校との連携を大切にしながら、学生と地域が出会う機会をつくっていきたいと思います。
そして、その小さな積み重ねが、医療・介護・福祉・地域の垣根を少しずつ越え、佐世保の地域包括ケアシステムの構築につながっていけばと思っています。

