令和4年度第1回地域福祉・生活支援ネットワーク会議(第一層協議体)を開催しました。

 令和4年9月13日(火)の14時から16時に、佐世保市社会福祉協議会本館3階にて、令和4年度第1回地域福祉・生活支援ネットワーク会議(第一層協議体)を開催しました。

(1)第一層SCからの取り組み報告

①令和3年度生活支援体制整備事業実績報告(成冨SC)

 生活支援サポーターと地域の困り事のマッチング件数は令和2年度では82件に対し、令和3年度は336件と410%の増加となっております。

生活支援サポーター養成者数は約600名、有償ボランティア団体7ヶ所、外出支援サービス3ヶ所の整備を行いました。

➁令和4年度生活支援体制整備事業実績報告(成冨SC)

 多様な世代の担い手確保の為に、国際大学での講話、佐世保市看護学校での生活支援サポーター養成講座の開催を実施しています。

 また、高齢者の為のスマートフォン活用講座を、やすらぎ荘で実施し、オンラインでの繋がりや介護予防活動の推進を図る取り組みを行っています。

③第二層SC活動報告「さわやか・しかまち」(田中SC)

 鹿町地区では平成30年9月から第二層生活支援コーディネーターが配置され、協議体(支え合い推進会議)自治会・民生委員・老人クラブ・社会福祉法人等で構成され、現在まで11回開催しています。
目指す地域像は、「活気のある鹿町、住みたいまち、福祉のまち」として、ご利用者に優しく若い方の働き場所の創設の実現に向けて活動を行っています。
 まず最初に、ワークショップを開催し、地域で暮らす中でのお困りごとや不安について、協議を行った結果、買物、移動についての意見を多く頂きました。

 意見を元に、アンケートを行った結果、車の送迎ボランティアがあったら利用するという方が43名いらっしゃる事がわかり、1回あたりの料金は250円から1,000円未満という事が妥当であることがわかりました。

 鹿町地区の課題解決に向けて、組織を立ち上げる為に生活支援コーディネーターが行ったことは、核となる人物に交渉を行い、立ち上げに賛同を頂いた後、担い手を確保する為に生活支援サポーター受講者に有償ボランティア勉強会を開催しました。

 その後、ニーズ調査を行い、事業計画書、必要な資金調達方法、事業の見通しを作成し、組織役員へ提案を行い、承諾を得られました。
社会福祉法人の空車両を利用した買物外出支援に向けて相談を行い、車両の貸出、燃料費提供の承諾を得られました。
協議体でアンケートを元に関係者に提案を行い、事業を進める事の合意形成を図り、組織の立ち上げを行いました。

 このようにして、令和3年12月から生活支援有償ボランティア団体「さわやか・しかまち」の活動として、窓掃除、室内の掃除、見守り、庭の剪定、草取り、薬取りを開始しました。令和4年6月3日から買物外出支援を開始しております。

(2)佐世保市社会福祉協議会からの取り組み報告

①地域主体により新たな生活支援サービスへの支援

 地域の福祉課題の解決に向けた取り組みを推進する為、補助金を交付し、住民同士の支え合い活動及びボランティアによる生活支援サービスの実施を推進しています。
金額は1地区の福推協などの圏域につき、総額200,000円を上限とし交付します。

➁地域共生社会について(ふくし教育の取り組み)

地域共生社会を実現する為に必要な取り組みとして、ふくし教育を実施しています。
この取り組みは、第3期地域福祉計画・地域福祉活動計画の基本目標2(地域における福祉活動の充実と人材育成にあたり、地域力の強化に努めるものです。また、ふくし教育を進めていくにあたり、ふくし教育実践指針を策定し、実践を行っています。
今後更に、小中学校、企業と連携を行い、ふくし教育を実践し、令和4年12月には、市民を対象としてふくし教育推進フォーラム「佐世保地域支え合いセミナー」を実施予定としております。

(3)協議事項「継続可能な生活支援体制の維持について」

 成冨SC:佐世保市では要支援、事業対象者の方が利用する、ヘルパーによる支援は「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」の中の訪問型サービスとして実施しています。
佐世保市はその中で、訪問介護(現行の訪問介護相当)、訪問型サービスB(住民主体による支援)を実施している状況です。
 

生活支援コーディネーターは、訪問介護(現行の訪問介護相当)の担い手の高齢化などによる減少で、サービス提供を継続する事が困難になる事も想定し、多様な支え合いを推進し、訪問型サービスB等、住民主体の取り組みを推進しています。

 ですが、現行の訪問介護相当の訪問介護の受け皿の現状は一体どうなっているのか、佐世保市訪問介護事業所連絡協議会の森田会長からお話を頂きたいと思います。

森田会長:会員の26訪問介護事業所にアンケートを実施し、22事業所から回答を頂いた内容の報告を行いたいと思います。
 職員の平均年齢は58歳となっており、当事業所の平均年齢は62歳で、最高齢職員は78歳でした。
2019年から2021年の間の職員の増減について、減った事業所は11事業所(50%)、増えた事業所は3事業所(14%)、変わらない事業所は8事業所(36%)となっております。正社員の数は変わりませんが、登録ヘルパーの数が高齢による退職などで変動しています。
若い方は、子育てがひと段落した後、進学費用などまとまった費用を得たい場合は、施設などに転職する方もおられます。減った人数は22事業所でマイナス18人となっております。

 生活援助のサービス提供状況について、人員不足で断る事があるが12事業所(54%)、人員不足で提供不可が3事業所(14%)、提供可能が7事業所(32%)となっています。生活援助のニーズは多くありますが、人手不足及び身体介護に比べて単価が低い為に、身体介護を優先する事業所もあります。
現在の職員の充足状況では、概ね充実が 1事業所(4.5%)、ほぼ充実が 3事業所(13.6%)、やや不足が10事業所(45.5%)、不足が8事業所(36.4%)となっており、生活援助を受け入れる事業所が少なくなっているのが現状だと思います。

 2025年に職員は充足しているかという質問については、充足困難と答えた事業所が90.9%となっており、人で不足に不安を抱えている事業所が多いと思います。
多様な担い手、サービスの提供が必要と感じる事業所も90.9%となっており、連携の必要性を感じている所が多くあります。
佐世保市訪問型サービス利用者将来予測として、2021年から2040年までは横ばいの利用人数が想定されており、現状のままでニーズを受け入れ続ける事が出来るのか、将来的には困難になる事が予測されます。

 コロナ禍の状況で、感染症対策を実施していますが、ご利用者に感染させてはならないという緊張感の中で、サービス提供を行っている状況です。

<情報共有>

①所属団体で行われている、見守り、ゴミ出しなど、生活支援活動の取り組みがあれば、教えてください。可能であれば、令和3年度の実績などご記入をお願いします。
➁所属団体以外での生活支援の取り組みを、把握する為に行われている事を教えて下さい。また、参考資料や情報元などがあれば、ご記入をお願いします。
➂企業等が実施している、地域における公益的な取り組み(社会貢献活動)の情報があれば、ご記入ください。(企業名、活動)

佐世保市老人クラブ連合会(加藤常任理事)

①シルバーヘルプサービス事業を実施しています。市老連所属の会員が、一人暮らしや虚弱な高齢者及び寝たきりの老人宅を訪問し、安否確認、話し相手、その他家事援助ならびに軽易な介護・買い物手伝い等により、会員自身の生き甲斐づくりと介護を受ける高齢者やその家族の負担の軽減を図り、有合い活動を実践する事を目的としています。
訪問対象者は、市老連会員以外でも希望があれば可能としており、一人暮らし(病弱で注意を要するもの)、高齢者世帯(夫婦どちらかが該当者)、寝たきり高齢者、その他(高齢者で訪問を希望する方)となっています。
活動内容は、食事の世話、洗濯・清掃、安否確認、相談・助言、買い物手伝い、その他で、2人一組での活動を基本としており、現在は安否確認及び話し相手が主体です。
令和3年度の実績として、活動クラブ数は全204クラブ中40クラブ、活動者数は、男性69名、女性162名の合計231名が行っています。訪問延べ回数は11,658回で、被訪問者数は、一人暮らしが274名、高齢者世帯が140名、その他23名の計437人となっています。
佐世保市訪問介護事業所連絡協議会(森田会長)
 ゴミ出しについて、要支援の方の3~4割の方が利用されています。要介護の方の1割に満たない方がゴミ捨てを利用されている状況です。ゴミ出しは介護保険をご利用されている方でもサービスを必要とする方も多いのではないかと思います。

佐世保市長寿社会課(大石主査)

 ①成冨SCからの報告の通りとなります。
 ➁SC運営の地域別の社会資源情報をまとめた包括ケアガイドマップ、包括支援センター作成の社会資源情報、地域の活動に対しては補助金を支出しています。
 ③電気組合の独居高齢者ボランティア事業(電気配線のチェック・修正、電球交換、電気製品周りの掃除など)、国有財産の有効活用(車が入らないなど未利用国有地の管理を地域などに委託して、有効活用を促進するもの)があります。

樋口保健福祉部代表(中部地区保健福祉部会)

 私が活動を行っている名切町では、7月に中部地域包括支援センターと連携し、住民アンケートを実施し回収率70%となり、ゴミ出しの手伝い等のニーズを把握し協力についても検討との声を頂きました。
 100歳体操を7年前から実施し、20名程参加していましたが、コロナ禍の状況となり、参加者は12~13名となりましたが、参加者とは週1回情報交換を実施しております。

中部地域包括支援センター(代読:成冨SC)

 ①見守り、声掛けが3件、生活支援が4件、ゴミ出しが5件となっております。
 ③西海みずき信用金庫では月に1回にじカフェ、ハッピーラーフ小佐世保では車の提供、ゴミ出し、買い物支援を実施されています。

佐世保市地区福祉推進協議会(川内野副会長)

 ①私の地域の吉井町では、立木SCが中心となり、有償ボランティア活動を昨年12月から開始し、草刈りや剪定、ゴミ出し、家具の移動、片付けなどの支援を開始しました。週2~3件ほど依頼があっています。支援者は70歳代の方が多く10名ほどの方が常時活動を行われています。
 現在、個人への外出支援を実施する為、個人の車を活用した移動支援サービスとして、別組織「よしいこ会」の立ち上げを8月27日に行い、これから活動を進めたいと思っています。

佐世保市民生委員児童委員連絡協議会(永島副会長)

①役員が所属する5地区の取り組みをお伝えします。民生委員児童委員として委員それぞれが日頃の安否確認のための訪問活動や生活支援活動を行っています。特に一人暮らしの高齢者や高齢者世帯の困りごとはゴミ捨て、買い物、草取り、通院の付き添い等です。
また、台風時における戸締りや避難場所への送迎については、近所の方や地域の消防団と連携しています。避難所への訪問もコロナ感染数の事も考えて今回は失礼しました。
 早岐地区民児協では「地域支え合い推進協議会」において地域の困りごとを把握するためモデル地区を選定し、アンケート調査を実施した結果、買い物の不便さが多かったので、当該町内会を通じて「ララ花高」へ要望書を提出し、現在週1回金曜日の買物送迎が実現しています。今後は他地域についても同様のニーズ調査を行い、困りごとの解決に協力したいと考えています。
活動実績として、訪問回数は106,328回で1人月13回、地域福祉・自主活動は44,230回で1人月6件、支援件数は35,320件で1人月5件、日常的支援は19,945件で1人月3件となります。
➁西天神町公民館福祉厚生部では、地域を対象として「西天神きずな」を開設し、サービスを行っています。
 また、若葉3組公民館では「生活支援えがお」を開設し、買い物、網戸の修理、木の選定、病院の付き添い等、月1~2回まで無料、不燃物付き1回無料、30分まで250円で実施しており、立ち上げて4年目の取り組みとなります。
➂早岐地区のララコープ花高の週1回金曜日の買物の送迎があります。

最後に

佐世保市第一層生活支援コーディネーター(成冨SC)

 皆さんの取り組みをお聞かせ頂き、情報交換できたことで、今後の地域での支え合いの推進の一助になれればと思います。
 また、所属されいる団体のメンバーの方々が、佐世保市での取り組みを学び、実践者と繋がり、自分の地域でも活動を推進する事を目的としたフォーラムを令和4年11月17日にYoutubeでライブ配信を行う予定としております。

また、地区コミュニティセンターや公民館などでも随時上映会を実施し、地域支え合い活動の推進を図りたいと思います。所属団体の皆様へ情報共有を行って頂けますと幸いです。

資料

・広報紙⇒ こちら

・議事録⇒ こちら

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