令和6年度佐世保市地域支えあいミニフォーラム
令和7年2月28日(金)に佐世保市役所13階大会議室にて、令和6年度佐世保市地域支えあいミニフォーラムを開催しました。
このフォーラムは、市内各地で地域づくりに取り組む実践者が一堂に会し、それぞれの活動の背景や想い、そして課題と展望を共有する貴重な場です。
今回は、サロン活動・介護予防・移動支援・有償ボランティアなど、多様な分野で実践を重ねてこられた4名の会長による発表を行っていただきました。
それぞれの取り組みの核心を「<活動のポイント>」としてまとめました。
ぜひ、皆さんの地域づくりのヒントとしてご覧ください。
目次
田中和實様(サロン愛宕)
<活動のポイント>
・地域づくりで活躍する田中さんは、町内にとどまらず誰でも参加できるサロンを個人の想いで立ち上げ、継続的に運営しています。
・健康づくりや体操、学びの時間も含めた独自の取り組みで、医療関係者もスタッフに加わり、地域住民のつながりを支えています。
・活動の継続と見学を呼びかけつつ、楽しみながら学ぶ工夫も凝らされています。
野田光敏会長(にこにこ赤崎)
<活動のポイント>
・野田会長は、どの町内も週1回の介護予防活動に及び腰だった時代に、勇気をもって初めの一歩を踏み出し、「にこにこ赤崎」を立ち上げた先駆者です。
・高齢の母との暮らしや震災復興インタビューの経験を通じ、「元気なうちから身体を鍛えることの大切さ」を実感し、誰でも無理なく続けられる体操プログラムを工夫して継続。
・現在も毎週の活動が続き、地域の方々の温かい絆をつなぐ拠点となっています。
田中村男会長(佐世保市けんこう運動支援隊)
<活動のポイント>
・田中会長は、100人以上の仲間と共に佐世保を“日本一の健康寿命のまち”にするべく活動を牽引しています。
・「あなた笑えますか?」を合言葉に、体操・ノートレ・笑い・栄養・足裏のケア・骨盤底筋トレーニングなど、多面的に健康づくりを実践されています。
・サロン参加が認知症予防に効果的であることをデータでも共有し、笑顔と仲間づくりを大切にする地域活動を広げています。
真坂共子会長(北松こまらん隊)
<活動のポイント>
・真坂会長は、地域包括支援センター長の経験を活かし、介護保険では補えない困りごとを支える有償ボランティアの仕組みを地域に構築しました。
・通院や買い物支援、見守り、清掃、身体介護など、制度の隙間にある支援ニーズに丁寧に対応し、信頼できる仲間とともに継続的な活動を実践しています。
・「今日も誰かに必要とされる」ことが生きがいとなり、仲間と支え合いながら地域に安心と希望を届ける活動を広げています。
閉会挨拶(成冨 第一層生活支援コーディネーター)
<活動のポイント>
・私はこの1年、現場での実践を通して、年を重ねても人は幸せになれるということを強く感じています。寝たきりや施設で暮らす方でも、自分らしく希望を持って生きている姿がたくさんあります。
・年齢を「衰え」や「孤独」として見るのではなく、つながりや役割の中で喜びを見つけられる人生があることを、多くの人に伝えたいと思っています。
・こうして地域で支え合いながら生きる皆さんの姿こそが、佐世保の希望と勇気になっていると、私は心から思っています。
編集後記(成冨 第一層生活支援コーディネーター)
このフォーラムを開催したのは、「地域づくりを誰かにやらされるもの」ではなく、心から他者や地域のために動いている人たちが、きちんと認められる場をつくりたいという思いからでした。
誰かのために動くことは、時に孤独で、報われにくいものです。
けれど、前向きで勇気ある一歩が、誰かの健康を守り、誰かの孤立を防ぎ、支えあいの輪を生み出している。
その姿は、確かに佐世保のまちに希望を灯してくれています。
高齢であっても、困難があっても、自分の役割を見つけて笑顔で立ち続ける方々の姿を目の当たりにし、私自身が勇気をもらいました。
今は、少子高齢化や人材不足、物価の高騰など、社会全体が不安を抱えやすい時代です。他者を思いやる余裕さえ失われがちな今だからこそ、今回のような発表は必要であり、その言葉や姿を記録として未来に残したいと強く感じました。
私が心から願うのは、「優しさに感謝が返る社会」。頑張った人がきちんと認められ、支えあう関係が少しずつ広がっていく、そんな地域をみんなで築いていけたらと思います。
もし、よろしければ、このブログや動画を通して感じた想いや気づきを、身近な方にも届けていただけたら嬉しく思います。
一人ひとりの共感と共有が、支えあえる地域の輪をさらに広げていく力になると信じています。