【世知原地区】「つながる農園」の取り組みについて
人と人とのつながりが希薄化する時代、あらゆる多世代や文化の違うコミュニティが農業を通じ〝つながり・教え・学び″あえる居場所を作り交流すること、また、居場所や生きがいづくりをはじめ地域課題の解消を見据える取り組みが、世知原の山間部、開作地区で『つながる農園』プロジェクトとして令和6年4月から開始しました。
前年秋から、地元世知原の元農協の指導員や長年米作りに携わっている農家の方々、社会福祉協議会の担当者が、話し合いを重ね、アイガモ農法で無農薬のお米を育てることになりました。農家の方にとってもアイガモ農法は初めての試みで不安もある中での挑戦でした。
大自然の中で、稲作体験!
かわいいヒナは、保育園で出番を待ちます♪
6月1日(土)青空の下、市内の小学生や未就学児、保護者の方々33名が地元の農業経験者指導のもと苗を植えていきました。最初は慣れない手植えに手こずっていた参加者もどんどん上達し、和気あいあい楽しく田植えを体験されました。
苗の根がしっかりつく頃、保育園で愛情いっぱい飼育してもらっていたアイガモちゃんが田んぼへ放されました。
アイガモ農法は、アイガモが草や害虫を食べ糞をしてそれが稲の栄養となること、また、田んぼの中を泳ぎ回わり土をかき混ぜることで、光合成が抑えられ雑草が育ちにくくなり、稲の根に酸素を与えます。
稲が実った10月初旬、黄金色に色づいた稲穂を、田植え体験のメンバーが集まり稲刈りを行いました。
「休日に稲とアイガモを見に何度も世知原へ来たよ。他にも見に来ている方がいたよ。」と話してくれる親子もいて、大自然の“居場所”になっていたようです。
この日はあいにくの空模様でしたが、稲を刈る間だけは太陽も顔を出し、参加者は慣れないながらも鎌を使い刈り取り作業を行いました。
収穫祭
11月10日(日)小雨の降る中、つながる農園収穫祭が開催されました。世知原にある野外の炊飯場がある施設で、火起こしから始まり、とれたお米を飯ごうで炊いておにぎりを握り、温かい豚汁を作りました。
がんばって働き私たちを癒してくれたアイガモちゃんのお肉はバーベキューにしていただき命のありがたさを実感しました。
調理には独居高齢者が集う『ふれあい食事会』で食事作りをしてくださっている地元世知原の食事ボランティア「わかば会」の方にお手伝いいただきました。
日頃体験しない食育に、子供たちはもとより私たち大人も本当の意味の「いただきます」を体感することができました。何より自分たちが作ったお米と豚汁を大自然の中で味わい、とても意義深い体験ができました。
1年を通して行われた「つながる農園プロジェクト」。人と人とがつながり、自然と触れ合い、教え・学び合う素敵な交流の場・体験の場となりました。
このような取組みをきっかけに、支え合いの輪がさらに広がるよう生活支援コーディネーターとして支援していきます。